HIGEの独り言
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わが家では正月のお雑煮は小豆雑煮である。餅は丸餅である。結構大きい。だがぜんざいとかお汁粉とはちょっと違う。味付けは雑煮を椀に盛った後で各自で行う。卓袱台に置かれた砂糖と塩の壺から、自分の好みに応じてそれらを加えるのである。
私はこれが嫌いであった。餅は大好きだがこれは食べられなかった。おかげで私の正月の朝の食べ物はかちんかちんの冷や飯だった。母親に言わせると、「正月はから暖かいご飯は食べないもんや、正月は餅を食うことに決まっている」。「何で小豆なんか」。「正月に赤いものはめでたいからや」とのことだった。
つくり方を聞いた。水炊きし柔らかくなった小豆を食べる分だけ鍋に取り出し、その上に丸餅をおき、そこに水を加えて煮るとのことである。そうすると、小豆が餅によくくっつくそうである。囲炉裏にかけた鉄なべから、それを取り出しうまそうに食べていた父親が思い浮かぶ。子供の頃は、なんでそんなにうまそうに食べるのか全く理解できなく冷や飯を噛みながら見ていたものだが。
正月のお雑煮が、丸餅だと角餅だとか、焼くとか水煮するとか、醤油仕立てとかみそ仕立てとか、肉だ魚だとか、かまぼこを入れるとかゆずを入れるとか、わが家の小豆雑煮とは程遠いものだと知ったのは成人してからだ。「お前の家の雑煮は?」と聞かれ「小豆・・」というとリアクションは決まっていたものだった。
TVで「けんみんショー」という人気番組をよく見るが、全国には様々なお雑煮があり、小豆雑煮も珍しいが、日本人にとって小豆というものが持つ「めでたさ」の意味からすると「ありかな」と思うようにはなっている。
最近母親と話していて、気が付いた。正月の行事で作る餅は正月3が日分に限った量ではなく、かなり大量に作る。だから餅は冬場には毎日のように食べる。その食べ方には、いろいろ工夫したことであろう。焼いたり、揚げたり、水煮にしたり、きな粉や砂糖や醤油をつけたり、当然、雑煮にしても醤油仕立てやみそ仕立てにしたことであろう。七草粥を食べるという日は、七草を拡大解釈した様々な野菜や油揚げ、こんにゃくなどが入った七草雑煮を食べたものだ。これは大好きだった。このように考えると、せめて正月はめでたい小豆雑煮を食べるということにしてこれが定着したものなのだろうか。